そのホームページ、問い合わせは来ているのでしょうか――同業他社を見本にすると危ない理由
同業他社のホームページを見本にして作ると、成果の分からないものを真似することになります。そのホームページに問い合わせが来ているかどうかは、外からは見えず、持ち主しか見られないデータの中にあるからです。
ですから、ホームページを作り直すときは、見本を探す前に3つのものを用意してください。お客様が選んでくれた理由、今のホームページの数字、問い合わせでよく聞かれることです。この3つがあれば、作る側は「何を書けば選ばれるか」から考えられます。
「このような感じにしてほしい」は、とても自然なお願いです
ホームページの打合せで、同業他社のホームページを見せて「このような感じにしてほしい」と言われることがあります。私も実際に経験しました。
とても自然なお願いです。作りたいホームページの姿は、言葉では伝えにくいものです。見せたほうが早く伝わります。制作会社の側でも、同業者のホームページを参考にして作ることはよくあります。
ただ、その見本には1つ、確かめようのないことがあります。そのホームページで、問い合わせが来ているかどうかです。
外から見えるのは見た目だけ。成果は、持ち主のデータの中にある
ホームページには、外から見えるものと、持ち主にしか見えないものがあります。
| 外から見えるもの | 持ち主にしか見えないもの |
|---|---|
| デザイン、色、写真 | 1か月に何人が来ているか |
| ページの数、並び | どんな言葉で検索して来たか |
| 書いてある文章 | どのページで読むのをやめて帰ったか |
| 料金やサービスの一覧 | 問い合わせや電話が何件あったか |
右側は、Googleの無料のツール(Search ConsoleやGoogleアナリティクス)の管理画面の中にあります。見られるのは、そのホームページの持ち主だけです。見本を見せた経営者にも、それを受け取った制作会社にも見えません。
当社も、自分のホームページの数字を見て、初めて分かったことがあります。Googleの地図の欄からホームページに来た人を調べると、2か月で32回のうち28回が「W-UP」と社名で検索した人でした(地図からホームページに来た人は、ほぼ全員が社名で探していた)。外から当社のホームページを眺めても、このことは分かりません。
外から成果が見えないので、見本はどうしても見た目で選ばれます。そして、見た目で選んだ見本は、成果で選んだ見本ではありません。

見本に選んだページが、人の来ているページとは限らない
アメリカの調査会社Ahrefs社が、世界の約140億ページを調べたところ、96.55%のページがGoogleからの訪問ゼロでした。
この調査は、ブログの記事なども含めたページ単位の数字です。会社のホームページにそのまま当てはまるわけではありません。それでも、作って公開したページの多くに、Googleから人が来ていないことは分かります。見本に選んだページが、人の来ている側か、来ていない側か。それを外から確かめる方法はありません。
※ 出典:Ahrefs社「96.55% of Content Gets No Traffic From Google」(2023年発表、2026年8月更新)
もう1つ、見た目からは分からないことがあります。きれいに見せる技術と、売る文章の技術は、別の技術だということです。どちらも、ホームページには欠かせません。けれども、見本の見た目から読み取れるのは、前のほうだけです。
成果の分からないまま形を真似すると、問い合わせの来ないホームページが、次のホームページの見本になっていくことがあります。見本を真似した側も、真似された側も、誰も数字を見ていないからです。
見た目を真似ると、書くことまで似てくる
見本の形を真似すると、ページの並びが似ます。並びが似ると、書くことも似てきます。同じ業種の会社が同じような見本を参考にすれば、なおさらです。
書いてあることが同じなら、お客様が比べられるのは、値段と場所くらいです。このことは、前々回の同じことを書いている店は、値段でしか選ばれないで、同じバッグを10の店が売っていた話として書きました。
見本の代わりに、用意してほしい3つのもの
では、見本を探す代わりに、何を用意すればよいのか。次の3つです。
- 1お客様が選んでくれた理由
最近のお客様3人に「なぜ、うちに頼んでくださったのですか」と聞いてみてください。売り手が売りにしたいことと、お客様が選んだ決め手は、ずれていることがあります。聞き方は、以前の「良い商品」がWEBで売れない本当の理由に書きました。 - 2今のホームページの数字
Search ConsoleとGoogleアナリティクスが入っていれば、どんな言葉で検索されて来ているか、どのページで帰っているかが分かります。入っていなければ、今日から入れてください。Googleアナリティクスは、入れた日からしか数えられません。作り直しの前に1か月分あるだけでも、直す前と後を比べられます。 - 3問い合わせや電話で、よく聞かれること
何度も聞かれることは、お客様が迷っているところです。迷っているところに答えが書いてあれば、お客様は問い合わせの前に安心できます。メモ書きで十分です。
3つとも、見本と違って、ご自分の会社とお客様のことしか書いていません。そして、どれも外からは手に入りません。制作会社にとっては、どんな見本よりも役に立つ材料です。
それでも見本を見せたいときは、「好み」を伝えるために使う
見本を見せること自体が悪いわけではありません。色の好み、写真の雰囲気、文字の大きさ。そうした見た目の好みは、見本を見せるのがいちばん早く伝わります。
分けてほしいのは、見た目の好みと、書く中身です。見た目の好みは見本で伝え、ページに何を書くか、どんな順番で並べるかは、上の3つから決める。こう分けておけば、見本の会社と同じことを書いたホームページにはなりません。
まとめ
- 同業他社のホームページを見本にしても、そのホームページに問い合わせが来ているかは分かりません。成果は、持ち主のデータの中にしかないからです。
- 見本は見た目で選ばれます。見た目で選んだ見本は、成果で選んだ見本ではありません。
- 見本を探す前に、お客様が選んだ理由、今のホームページの数字、よく聞かれることの3つを用意してください。
- 見本は、見た目の好みを伝えるために使ってください。
W-UPでは、ホームページを作るとき、見本を探すところからは始めません。お客様の言葉を集めるところから始めます。そして公開したあとは、数字を見て、お客様がどこで止まっているかを見つけて直します。この考え方は集客できないホームページの「5つの壁」のページに、制作の進め方と料金は愛媛・松山のホームページ制作のページにまとめています。ホームページ制作のほか、Googleビジネスプロフィールの運用やAI検索対策も含めたサービスの一覧はW-UPのWEB集客サービスをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 好きなデザインのホームページを、制作会社に見せてはいけないのですか。
A. 見せてかまいません。色や写真の雰囲気、文字の大きさといった見た目の好みは、見本を見せるのがいちばん早く伝わります。ただ、ページに何を書くか、どんな順番で並べるかは、見本ではなく、お客様が選んだ理由や今のホームページの数字から決めてください。
Q. 同業他社のホームページに問い合わせが来ているか、確かめる方法はありますか。
A. 外からは確かめられません。問い合わせの件数や、どんな言葉で検索されて来ているかは、そのホームページの持ち主しか見られない管理画面の中にあります。見た目が整っていることや、ページの数が多いことは、問い合わせが来ていることの証拠にはなりません。
Q. 今のホームページで、数字を取っていません。作り直す前に何をすればいいですか。
A. まず、GoogleのSearch ConsoleとGoogleアナリティクスを入れてください。どちらも無料です。Googleアナリティクスは入れた日からしか数えられないので、作り直しの前に1か月分あるだけでも、直す前と後を比べられます。
Q. お客様に「なぜうちを選んだか」を聞くのは、気が引けます。
A. 長いインタビューでなくてかまいません。最近のお客様3人に、仕事が終わったあとのあいさつのついでに一言聞くだけでも、売り手の思い込みとのずれが見つかることがあります。聞いた答えは、お客様の言葉のままメモしておいてください。
Q. 制作会社が、同業他社のホームページを参考にして作るのはよくないことですか。
A. 参考にすること自体は、よくあることです。気をつけたいのは、成果の分からない見本の形を、そのまま中身の手本にしてしまうことです。見本からは、問い合わせが来ているかどうかは分かりません。何を書くかは、そのお客様の会社の言葉と数字から決めるのが確かです。
Q. 作り直すかどうか迷っています。何から始めればいいですか。
A. 記事の3つ(お客様が選んだ理由、今のホームページの数字、よく聞かれること)を用意するところから始めてください。W-UPの無料相談(約60分)では、今のホームページを一緒に見ながら、作り直す前に確かめておきたいことを整理します。
御社のホームページは、お客様がAIに聞いたとき何番目に出てくるでしょうか。

