連携ボタンが渡しているのは、情報ではなく権限でした――お預かりしているお客様のGoogleビジネスプロフィールまで、一緒に持っていく仕組み

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連携ボタンが渡しているのは、情報ではなく権限でした

オレンジ色のボタンから伸びた1本の線が、鍵の下がったカード6枚をまとめて運び去っていくイラスト
WEB制作
AI検索対策
2026.09.16

連携ボタンが渡しているのは、
情報ではなく権限でした

― お預かりしているお客様のGoogleビジネスプロフィールまで、一緒に持っていく仕組み ―

結論から言うと、外部サービスの「連携」ボタンで渡しているのは、情報ではありません。権限です。そして権限は、自分の持ち物だけを持っていくとは限りません。

お客様のGoogleビジネスプロフィールを何社かお預かりしている会社が連携ボタンを押すと、お客様の情報も一緒に、その会社の外部アカウントへ入ります。悪意も操作ミスもなく、仕組みどおりに、そうなります。この挙動を知らないまま使っている会社は、おそらく少なくありません。

W-UPでは以前から、自社用のGoogleアカウントと、お客様をお預かりするためのアカウントを分けています。今回、その運用が実際に試される場面があり、あわせて「分けるだけでは足りない」ことも分かりました。押した瞬間には見えないこの仕組みと、費用ゼロでできる防ぎ方を、実例つきでご報告します。

情報は1件ずつ渡る。権限はアカウントごと渡る

外部サービスの「連携」ボタンで渡しているのは、情報ではありません。権限です。

この違いは、押した瞬間には見えません。画面に出るのは「〇〇と連携します」「データを取り込みます」といった、穏やかな言葉です。ところが実際に動いているのは、そのアカウントが触れるもの全部に手が届く状態を、相手側に作るという処理です。情報は1件ずつ渡りますが、権限はアカウントごとに渡ります。ここが決定的に違います。

「1件だけ取り込むつもりだった」という感覚と、実際に渡している範囲が食い違うのは、この一段のずれが原因です。

具体的な例:Googleビジネスプロフィールのインポート

具体的な例で説明します。

Googleビジネスプロフィール、いわゆるGoogleマップに出るお店や会社の情報です。これを他のサービスに取り込む「インポート」という機能が、あちこちにあります。地図系のサービスの多くが用意していて、ゼロから入力し直さずに済むので便利です。

このインポートには、知っておくべき性質があります。取り込まれるのは「自分が持っているもの」だけではありません。「管理者として預かっているだけのもの」も、同じように対象になります。自分のものか、人から任されているだけのものか、その区別をインポートは付けません。アカウントから触れるかどうか、それだけを見ます。

つまり、お客様のGoogleビジネスプロフィールを何社か預かっているアカウントで連携ボタンを押すと、そのお客様の情報も一緒に、押した人の外部アカウントの中に入ってくるということです。悪意も操作ミスもなく、仕組みどおりに、そうなります。

ここは推測で判断しなくて構いません。Googleアカウントの「リンク済みアプリ」を開くと、つないだ相手が「Google でログイン」と「アクセス権の付与」に分けて表示されます。後者に入っている相手が、データに触れる権限を受け取っている相手です。

だからうちは、アカウントを分けています

自社用のGoogleアカウントと、お客様をお預かりするためのアカウント。ブラウザのプロファイルごと分けていて、自社の作業は必ず自社側で開く。面倒に見えますが、費用はゼロで、設定は一度きりです。そしてこの分け方が、うっかりを事故にしないための土台になります。注意力で防ぐには、この手の操作は静かすぎます。

カードを1つの器にまとめて入れた状態と、自分の分と預かりものを別の器に分けた状態を並べた比較イラスト。分けた側では、連携の線が自分の器にしか届いていない
自社用と、お客様をお預かりするための器を分ける。分けるのに費用はかからない。

「気をつける」で止めずに器を分けるのは、愛媛のWEB制作でお客様の管理画面をお預かりする立場としては、当たり前の作法だと考えています。

分けていた運用が、実際に試された日

この挙動を身をもって確かめることになったのは、自分の作業でした。

ある地図系サービスに自社を登録しようとして、ブラウザのプロファイルを取り違えました。開いていたのは、お客様を何社かお預かりしている方のアカウントでした。連携の画面をいくつか進んだところで、これは自社用ではないと気づいて止めました。取り込む対象を選ぶ画面の、1つ手前です。

分けてはいても、ウィンドウは同じ形で並びます。どちらの器を開いているのかは、画面のどこにも書いてありませんでした。

止めただけで終わりにはしません。そのあとGoogleアカウントの「リンク済みアプリ」を開いて、実際に何が渡っていたのかを確認しました。そのサービスは「Google でログイン」の側に入っていて、渡っていたのはプロフィール情報の参照だけ。ビジネスプロフィールのデータに触れる権限は、まだ付与されていませんでした。念のため、その連携だけを削除しました。似た名前の別サービスが並んでいたので、消す対象を1つに特定してから削除しています。ここは急がずにやるところです。

お客様のデータは1件も外に出ていません。それでも、この一件で分かったことがありました。

器を分けていても、開く器を間違えれば意味がない。分けることは前提であって、それだけでは足りないということです。

この一件で足したのは、注意ではなく見た目でした

そこで、うちは対策を1つ足しました。自社用のプロファイルと、お客様をお預かりするプロファイルで、ブラウザの見た目を変えたのです。テーマの色とアイコンを別にして、ウィンドウを開いた瞬間に、どちらの器を開いているかが目に入るようにしました。

「気をつける」ではなく「見れば分かる」に変える。注意力を足しても、静かすぎる操作は素通りします。気づく仕組みのほうを足すべきでした。作業は5分、費用はゼロです。

その場で確認する手順

同じことをしてしまったかもしれない、と思ったときの確認手順です。順番だけ書きます。

  1. 1myaccount.google.com を開く
  2. 2左のメニューから「リンク済みアプリ」を選ぶ
  3. 3「表示」の下に「Google でログイン」「アクセス権の付与」という2つのボタンが、件数付きで並んでいる
  4. 4「アクセス権の付与」に入っている相手が、データに触れる権限を受け取っている相手です。ここを先に見る
  5. 5「Google でログイン」だけの相手なら、渡しているのはプロフィール情報(名前やメールアドレス)だけ
  6. 6サービス名をクリックすると、何が共有されているのかが書いてある
  7. 7不要なら、その画面でアクセス権を削除する

一覧をただ眺めても分かりません。4番の仕分けを見て初めて、どれが権限を渡している相手なのかが分かります。これは前回書いた押す前に、押す必要があるか分かるという話と同じで、判断材料はたいてい画面の中にあります。

私の場合、その地図系サービスは「Google でログイン」のほうに入っていました。詳細を開くと「プロフィール情報の参照」とだけ書かれていて、ビジネスプロフィールに触れる権限は付いていませんでした。

消すかどうかは、3つの質問で決まります

一覧に並んだ相手を、1件ずつこう見ます。

  1. 1心当たりがあるか。つないだ覚えのないものは消す
  2. 2今も使っているか。昔試しただけのものは消す
  3. 3この器にあってよいものか。自社専用のツールが「お預かり用」の器に入っているなら、消して自社側でつなぎ直す

3番目が肝心です。「消すか残すか」ではなく、「この器にあってよいか」で見る。使っているかどうかだけで判断すると、自社のものと預かりものが同じ器に居続けます。

そして消す前に、それを消すと何が止まるのかを先に考えてください。バックアップの保存先、管理画面に出ている数字、広告の管理——止まると困るものは、自社側の器でつなぎ直してから消します。順番を逆にすると、直すのに時間を取られます。

もう1つ。似た名前のサービスが並んでいないかを必ず確かめてください。消す対象を1つに絞れないまま操作すると、今動いている連携を落とします。

経営の場面でも、同じ構図はよくあります

経営の場面でも、同じ構図はよくあります。代表個人のアカウントで外部サービスを契約している。退職した人のIDがまだ生きている。管理画面のログイン情報を全員で共有している。どれも、日々の業務では何の問題も起こしません。問題が起きるのは、誰かが何かを押した1回だけです。そしてその1回は、いつ来るか分かりません。

日々の業務で問題が起こらないことが、いちばんやりにくいところです。痛くないので、直す動機が生まれません。そして痛くなったときには、もう渡っています。

権限は「誰が使うか」ではなく「何に届くか」で切る

だから、権限は「誰が使うか」ではなく「何に届くか」で切る。自社のものと、お預かりしているものを、同じ器に入れない。愛媛県内の中小企業でも、Web制作やマーケティングの外注が増えるほど、この線引きは効いてきます。AIを使うサービスは特に、連携で一気にデータを吸い上げる作りのものが多いからです。

社内で今日決められる線引きは、だいたいこの3つです。

  1. 1自社用と、お客様・取引先からお預かりしている分を、別のアカウントにする(ブラウザのプロファイルごと分け、テーマの色とアイコンも変えて、開いた瞬間に見分けがつくようにする)
  2. 2人が辞めたら、その人のIDで生きている外部連携を一覧で確認する(IDを消すだけでは、連携は残ることがあります)
  3. 3連携を増やすときは、押す前に権限の範囲を確かめる人を決めておく

分けるのに、お金はかかりません。かかるのは、最初の30分だけです。この線引きも含めて外に出すかどうかで迷われている方は、愛媛・松山のホームページ制作サービスの内容と料金はこちらをご覧ください。

三部作を終えて

3回とも、道具が悪いという話ではありませんでした。「転送を設定した」と「転送が効いている」は、別のことでしたで書いたとおり、設定画面は結果を映さない。判断材料は画面の中にある。連携ボタンは権限を渡す。どれも、押す前に一度読めば分かることでした。

集客のためにツールを増やすことと、預かっているものを守ることは、同じ机の上の話です。松山のホームページ制作やGoogleビジネスプロフィールの運用代行をお願いするときは、「自社と他社を同じアカウントで触っていないか」を一度だけ聞いてみてください。答えられる会社は、たいていほかの段取りもできています。

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よくあるご質問

Q. 外部サービスの「連携」ボタンを押すと、具体的に何が渡るのですか。

A. 渡るのは情報ではなく、そのアカウントが触れる範囲にアクセスできる権限です。画面の文言は「データを取り込みます」のように穏やかですが、動いているのは「このアカウントで触れるものに手が届く状態を相手側に作る」処理です。情報は1件ずつ渡りますが、権限はアカウントごとに渡ります。何がどこまで渡ったかは、Googleアカウントの「リンク済みアプリ」で確認できます。一覧が「Google でログイン」と「アクセス権の付与」に分かれていて、後者に入っている相手が、データに触れる権限を受け取っている相手です。

Q. Googleビジネスプロフィールのインポートで、他社の情報まで取り込まれることがあるのですか。

A. あります。インポートは「自分が持っているもの」と「管理者として預かっているだけのもの」を区別しません。アカウントから触れるかどうかだけを見ます。そのため、お客様のプロフィールを何社か預かっているアカウントで連携すると、お客様の情報も一緒に、押した人の外部アカウントに入ってきます。悪意も操作ミスもなく、仕組みどおりにそうなります。なお、自社の情報が外部でどう扱われているかという話は、AIが実在しない社名で紹介していた回でも触れています。

Q. 連携してしまったかもしれません。どこを見れば確認できますか。

A. myaccount.google.com を開き、左のメニューから「リンク済みアプリ」を選んでください。一覧の上に「Google でログイン」「アクセス権の付与」という2つのボタンが件数付きで並んでいます。「アクセス権の付与」に入っている相手が、データに触れる権限を受け取っている相手です。「Google でログイン」だけなら、渡しているのはプロフィール情報だけです。サービス名をクリックすると、何が共有されているかが書いてあります。消すかどうかは「心当たりがあるか」「今も使っているか」「この器にあってよいか」の3点で判断してください。削除するときは、似た名前の別サービスが並んでいることがあるので、消す対象を1つに絞ってから操作します。

Q. アカウントを分けるのに費用はかかりますか。手間はどのくらいですか。

A. 費用はかかりません。Googleアカウントを自社用とお客様お預かり用に分け、ブラウザのプロファイルも分けるだけです。設定は一度きりで、かかるのは最初の30分程度です。あわせて、プロファイルごとにブラウザのテーマ色とアイコンを変えてください。分けるだけだと、開く器を間違えたときに気づけません。色が違えば、ウィンドウを開いた瞬間に分かります。注意力で防ごうとしても、この手の操作は静かすぎます。見れば分かる形にしておくことが、うっかりを事故にしないための仕組みです。

Q. 社員が退職したあと、何を確認すればよいですか。

A. IDを削除するだけでは足りません。その人のアカウントで生きている外部サービスの連携が残ることがあります。退職時のチェックとして、本人のアカウントの「リンク済みアプリ」を開き、「アクセス権の付与」に何が入っているかを確認する、会社の管理画面(Googleビジネスプロフィール・広告・解析など)の管理者一覧から外す、代表個人のアカウントで契約している外部サービスが無いか棚卸しする——この3点を回してください。日々の業務では何も起きないため、辞めた直後にやらないと、そのまま忘れられます。

Q. うちはWeb制作を外注しています。制作会社に何を聞けばよいですか。

A. 「自社の作業と、お客様からお預かりしている管理画面を、同じアカウントで触っていませんか」の1問で十分です。分けていれば「プロファイルごと分けています」と即答が返ります。あわせて、お客様のGoogleビジネスプロフィールは「オーナー」ではなく「管理者」として預かっているか、外部サービスと連携する前に権限の範囲を確認する手順があるか、取り違えに気づける仕組み(プロファイルの色分けなど)があるか、も聞いておくと安心です。

W-UP|愛媛WEB集客ラボ 代表 松木 健

松木 健(まつき けん)
W-UP|愛媛WEB集客ラボ 代表/愛媛・松山でホームページ制作とWEB集客の支援

愛媛で20年以上、セミナーで延べ849人に指導。自社サイトで試して確かめたことだけを書いています。代表について

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